異常気象は農産物に大きな影響を与えています。これは紅茶も同様です。熱帯で作られる紅茶ですが、雨が少なすぎれば枯れます。今年は世界中を熱波が襲っています。スリランカやインドも同様です。
今年はさらにもう一つ大きな問題が加わりました。イスラエルとイランの戦争です。それによって世界中の肥料が足りなくなっています。すでに影響は出始めて、オーストラリアの小麦が大打撃を受けているというニュースが入ってきました。
スリランカはここ数年国家が破綻状態です。最悪な時に政府は突然スリランカ国中をオーガニックのみにすると発表しました。これは、財政が破綻して肥料や農薬が買えなくなり無意味な決定をしたのです。その時もやはり生産量は一気に落ちました。世界中は肥料で生産量を保っていると知ることになる大きな出来事でした。
今年はどうなるのでしょう。茶葉の栽培にどれぐらいの影響が出ているのでしょうか。
スリランカ茶葉生産量レポート
一次資料のみ:Sri Lanka Tea Board、Central Bank of Sri Lanka、Department of Census and Statistics 系列に限定。
1. 生産量の推移
年・期間 総生産量 高地 中地 低地 コメント
2015年 328.77百万kg 75.43百万kg 50.97百万kg 202.38百万kg 悪天候により前年比2.7%減。低地が約62%。
2024年 262.69百万kg 55.70百万kg 47.38百万kg 159.61百万kg 2015年比で約20.1%減。
2025年 264.62百万kg 56.50百万kg 47.71百万kg 160.41百万kg 2024年比で約0.7%増。ただし2015年比では約19.5%低い。
2026年1〜3月 59.6百万kg 13.4百万kg 10.1百万kg 36.0百万kg 2025年1〜3月比で3.1%減。3月単月は乾燥気象で前年比14.5%減。
2015年のSri Lanka Tea Board年報では、総生産量は328.77百万kg、うち高地75.43百万kg、中地50.97百万kg、低地202.38百万kgとされ、悪天候で前年比2.7%減だったと明記されています。
2024年のTea Board改訂統計では総生産量262.69百万kg、2025年は264.62百万kgで、2025年は前年からわずかに回復したものの、10年前の2015年水準には全く戻っていません。
2026年については、Tea Boardの「Revised Tea Production」欄にはまだ2026年の年次・月次PDFが掲載されていなかったため、Central Bank of Sri Lankaの2026年4月Agriculture Sector Data Bulletinを使用しました。同資料では2026年1〜3月の茶生産は59.6百万kg、前年同期比3.1%減、3月単月は「extensive dry weather conditions」により前年比14.5%減とされています。
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2. 結論:2025年は横ばい回復、2026年初は乾燥で失速
2025年通年は、2024年比では +1.92百万kg、+0.7% 程度の小幅回復です。高地・中地・低地の全てでわずかに増えていますが、構造的には2015年より 約64.16百万kg少ない 状態です。これは紅茶産業としては大きく、2015年比で約 19.5%減 です。
2026年は出だしが弱いです。1〜2月時点では前年同期比で増えていましたが、3月の乾燥気象で大きく落ち、1〜3月累計では前年同期比 3.1%減 に転じています。特に中地は 7.98%減 と落ち込みが目立ちます。
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3. 気象異常の影響
2015年:悪天候で約9〜10百万kg減
2015年は、Tea Boardが「unfavourable weather conditions」が年の大部分で続いたと説明しています。生産量は前年より9百万kg、または2.7%減少し、別ページでは「悪天候により約1,000万kg減」と整理されています。
2023年:天候異常で茶・ゴム・ココナッツが収縮
Central Bankの2023年Annual Economic Reviewでは、農業全体は肥料・農薬・燃料供給の改善で回復した一方、茶・ゴム・ココナッツは「weather anomalies」の悪影響で収縮したと説明されています。つまり、肥料制約が緩んでも、天候要因で茶は戻り切らなかったという構図です。
2025年:通年では横ばい、年末はCyclone Ditwahの供給混乱
2025年のCentral Bank Annual Economic Reviewでは、年末にCyclone Ditwahが発生し、食料供給や交通に混乱を与えたとされています。ただし茶生産統計上は2025年通年が2024年比で微増しており、茶については年末サイクロンよりも、月別・地域別の天候変動の影響を見る必要があります。
2026年3月:乾燥気象が直接的な減産要因
2026年3月はかなり明確です。Central BankのAgriculture Sector Data Bulletinは、3月単月の国内茶生産が前年比14.5%減少し、その理由を「extensive dry weather conditions」と明記しています。これは2026年初の減産要因として、一次資料上かなり強い根拠があります。
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4. 肥料不足の影響
肥料不足の影響が最も明確に出たのは2022年です。Central Bank Annual Report 2022は、茶生産が前年比 16.0%減 となり、その主因を「肥料・農薬の深刻な不足の遅行影響」と説明しています。さらにTea Research Instituteの診断として、化学肥料・農薬、特に尿素系肥料と除草剤へのアクセス不能が収量低下に大きく影響したと記載されています。
2022年の落ち込みは全標高帯に及びました。高地は13.8%減、中地は21.2%減、低地は15.4%減です。また小規模農家の平均収量は2021年の1,414kg/haから2022年の1,193kg/haへ15.6%低下しています。生産コストも肥料・農業投入材の価格上昇と不足で上がったとされています。
2023年には、農業全体では肥料・農薬・燃料供給の改善が回復要因になりました。しかし茶は天候異常で収縮したため、肥料不足からの回復効果を天候が相殺した形です。
2026年1〜3月の肥料輸入データを見ると、尿素は2025年1〜3月の74千トンから2026年1〜3月の40千トンへ減少、カリ肥料も21千トンから5千トンへ減少しています。ただし、この資料だけでは「茶の減産が肥料不足で起きた」とは断定できません。2026年3月の減産理由として一次資料が明記しているのは、乾燥気象です。
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5. 実務的な見立て
スリランカ茶葉の供給リスクは、今は「肥料不足だけ」ではなく、肥料・農薬の供給回復後も天候異常で生産が不安定化する段階に入っています。
輸入販売の視点では、次の3点を毎月追うべきです。
1. Sri Lanka Tea BoardのRevised Tea Production
月次の高地・中地・低地別生産量を見る。2026年版が出たら最優先。
2. Central Bank Agriculture Sector Data Bulletin
Tea Boardより早く2026年速報が出ることがある。乾燥、豪雨、サイクロンなどの説明が付く。
3. 肥料輸入量、特に尿素・カリ肥料
生産量への即時影響ではなく、数か月遅れの収量低下リスクとして見る。
現時点の結論は、2025年は2024年比でほぼ横ばい回復。ただし10年前比では約2割減の低水準。2026年初は3月の乾燥気象で失速。肥料不足は2022年の大減産の主因だったが、2026年初の減産主因として一次資料が明記しているのは乾燥気象です。
ChatGPTで精査してみました。まだ、肥料不足の影響は出てないですね。ただ、乾燥で生産量が相当減っています。ここから肥料の影響が出るかどうかですね。相当心配です。


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