Sri Lanka Tea Boardの最新公表と対象期間の整理
Sri Lanka Tea Board(SLTB)が公開した資料(2026年8月12日確認)によると、直近の公式ニュースレターは2026年5〜7月号、生産に関する最新の通年改訂値は2025年12月末時点のものである。これら二つのデータは対象期間が異なるため、混同せずに参照する必要がある。ここで示す情報は、2026年の市場開拓に関する動向と、SLTBサイト上で確認された最新の通年確定生産統計を組み合わせたものである。1
ポイント:2025年の総生産は2億6,461万5,760kgであり、低地が全体の60.6%、黒茶が99.1%を占める。また、SLTBは2026年において、海外27公館との販促活動や国際市場調査に加え、気候・労働・コストといった産業課題への言及を行っている。2 3 4
※アイキャッチ画像は茶園景観と国際的なつながりを示す解説用イラストであり、特定の個別茶園や統計図表を直接撮影したものではない。
2025年の総生産実績:2億6,462万kgの内訳
SLTBの「Revised Tea Production – 2025 (End of December 2025) – Cumulative Classification by Elevation & Processing Method」によると、2025年12月末までの累計総生産は264,615,760kgである。以下の構成比は同表の数値に基づき算出され、小数第1位で四捨五入されている。2
| 区分 | 2025年累計 | 構成比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 総生産 | 264,615,760kg | 100.0% | 2025年12月末時点の改訂累計。 |
| 低地 | 160,413,169kg | 60.6% | 標高に基づく生産区分。 |
| 高地 | 56,496,205kg | 21.4% | 同上。 |
| 中地 | 47,706,386kg | 18.0% | 同上。 |
| 黒茶合計 | 262,248,381kg | 総生産の99.1% | Orthodox(bio・reclaimedを含む)およびCTCの合計。 |
| 緑茶 | 2,367,379kg | 総生産の0.9% | 統計上の緑茶区分。 |
ここで留意すべき点は、「高地/中地/低地」という標高による生産区分と、「オーソドックス/CTC」という製法区分は別軸であるということである。特定の生産地における数量の多寡をそのまま品質の優劣と結びつけることはできない。2
黒茶の製法別内訳:オーソドックスとCTCの定義
統計における黒茶合計262,248,381kgの内訳として、bio teaおよびreclaimed teaを含むオーソドックス茶が237,496,606kg、CTC茶が24,751,776kgとなっている。黒茶全体に対する割合は、前者が90.6%、後者が9.4%である。2
| 2025年の黒茶区分 | 累計 | 黒茶に占める割合 | 定義 |
|---|---|---|---|
| Orthodox(bio・reclaimedを含む) | 237,496,606kg | 90.6% | Orthodox only 234,526,487kgのほか、bio tea 1,250,905kgとreclaimed tea 1,719,214kgを含む。 |
| CTC | 24,751,776kg | 9.4% | 同統計上のCTC区分。 |
| 黒茶合計 | 262,248,381kg | 100.0% | 両者の合計。 |
これらの数値は生産量を示したものであり、オーソドックスとCTCのいずれが上位であるかを示す品質評価の指標ではない。香味や用途は、原料、製法、抽出条件などを個別に評価する必要がある。
2026年の対外発信と国際茶の日(International Tea Day)
SLTBは、外務省および海外の27のSri Lankan Missionsと連携し、International Tea Day 2026の関連行事を実施したことを公表している。テーマは“Sustaining Tea – Supporting Communities”であり、テイスティングや展示を通じてピュア・セイロン・ティーの遺産や持続可能性を発信している。3
また、2026年の初開催となる「Ceylon Tea Walk」には、輸出業者、プランテーション企業、小規模生産者、ブローカー、政府関係者らが参加した。同報告では、世界市場の不確実性、気候変動、生産コストの上昇、労働環境の課題などが言及されている。4
これらはSLTBによる公式の行事報告および課題認識であり、個別企業の損益や課題解決の成果を直接示すものではない点に留意が必要である。
ニュースレターに見る市場動向:ヨルダンおよびノルウェーの事例
SLTBの2026年5〜7月期ニュースレターでは、ヨルダン市場、ノルウェーのRTDティー、北米の茶輸入動向などが取り上げられている。5
ヨルダン向けのスリランカ産茶輸出について、SL Customsのデータとして、輸出量が2024年の4,697,202kgから2025年は4,949,158kgへ増加したことが示されている。一方、輸出金額は2024年のRs.9,878,733,507から2025年はRs.9,741,990,475へ推移し、FOB価格はRs.2,103.10/kgからRs.1,968.41/kgとなっている。5
| ヨルダン向け輸出(SL Customsデータ) | 2024年 | 2025年 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 輸出量 | 4,697,202kg | 4,949,158kg | スリランカからヨルダンへの輸出実績。 |
| 輸出金額 | Rs.9,878,733,507 | Rs.9,741,990,475 | 同データ上の金額。 |
| FOB単価 | Rs.2,103.10/kg | Rs.1,968.41/kg | 同データ上のFOB価格。 |
同ニュースレターではユーロモニター・インターナショナルのデータとして、ヨルダンの小売茶市場全体における2025年の販売量が6,846.4トン(うち黒茶5,143.5トン、緑茶1,360.2トン)であったことも紹介されている。ただし、これはスリランカ産に限定した数値ではないため、輸出量データとは区別して参照する必要がある。5
データの混同を防ぐための確認表
| 誤読しやすい表現 | 事実関係 | 適切な表現の例 |
|---|---|---|
| 「2026年の生産量は2億6,462万kg」 | 264,615,760kgは2025年12月末時点の改訂累計生産量。 | 「2025年通年の改訂生産値」と記す。 |
| 「低地茶が高地茶より高品質」 | 低地60.6%、高地21.4%は単なる生産量の構成比。 | 生産量と品質評価を混同しない。 |
| 「CTCは低品質の茶」 | 統計上は製法ごとの生産区分として記載されている。 | 製法による分類として扱う。 |
| 「ヨルダンの小売市場の全量がスリランカ産」 | ユーロモニターの小売市場全体データとSL Customsの輸出量は別個のもの。 | 市場全体と特定国からの輸出量を区別する。 |
まとめ
SLTBの公開資料からは、2025年の総生産2億6,461万5,760kgを基盤としつつ、2026年には海外公館を通じた販促や市場調査、産業全体の課題対応へと活動が広がっていることが確認できる。数字や定義を正確に把握した上で動向を読み解くことが重要である。
セイロン茶の多様な産地や製法による味わいについては、サラトナのオンラインショップでもご紹介している。
参考資料
- Sri Lanka Tea Board, Publications
- Sri Lanka Tea Board, Revised Tea Production – 2025 (End of December 2025): Cumulative Classification by Elevation & Processing Method
- Sri Lanka Tea Board, International Tea Day 2026 Celebrations Successfully Promote Pure Ceylon Tea Worldwide
- Sri Lanka Tea Board, Ceylon Tea Walk 2026 – International Tea Day Celebrations
- Sri Lanka Tea Board, Newsletter: May–July 2026
※数値は各公開資料に基づく。
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