スリランカ紅茶の立役者でもある「ジェームス・テイラー」
孤独だったという側面も語られるが、16歳でスリランカに渡った彼を支えた人物が存在したはずである。そのような疑問から文献の調査を開始した。その過程で「NOBEL」や「NOBLE」といった表記の人物名にたどり着いたものの、詳細な情報は容易に見つからなかった。
インドやスリランカに関する当時の記録は散逸していることも多いが、何らかの一次記録が残されているはずであるとの仮説のもと、調査を進めることとした。
スリランカ紅茶史に関する既存の文献多数あるなかで該当する記録が見つからない中、調査の過程で得られた記録の一端を示す。本稿では調査の煩雑な経緯そのものを共有する。
重要な発見:1884年Kegan Paul版原本の確認
出典: Internet Archive – Life Of Sir David Wedderburn (1884)
URL: https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.30976/
著者: Mrs. E.H. Percival (Sir David Wedderburnの妹)
出版: Kegan Paul, Trench & Co., London, 1884
総ページ数: 464ページ
目次から確認された1864年章
CHAPTER IV. 1864-1866.
- タイトル: “Voyage to Bombay—The Delhi Durbar—Bhavnagar and Palitana—’Protected Princes in India’—’Modern Imperialism in India’”
- 期間: 1864-1866年
- 内容: ボンベイへの航海、デリー・ダルバール、インド旅行記録
重要な基本情報の確認
Sir David Wedderburnの出生記録
- 生年月日: 1835年12月20日
- 出生地: ボンベイ(現ムンバイ)
- 記録: “DAVID WEDDERBURN was born at Bombay on the 20th of December, 1835.”
家族背景
- 家系: スコットランド国境地方の古い家系
- 称号: 第3代准男爵(3rd Baronet)
- 伝記編纂者: 妹のMrs. E.H. Percival
1864年章の重要性
章のタイトル分析
“Voyage to Bombay”: 1864年のボンベイへの航海
- P&O船舶「Malta」での旅行(1864年11月20日出発)
- Marseilles → Gibraltar → Malta → Suez → Bombay航路
“The Delhi Durbar”: デリー・ダルバール参加
- 英領インド政府の公式行事
- 政治的・社会的重要性
“Bhavnagar and Palitana”: 西インドの藩王国訪問
- グジャラート州の重要な藩王国
- 茶業関連の調査可能性
“Protected Princes in India”: インド藩王制度に関する論考
- 政治的分析と提言
- 植民地政策への関与
“Modern Imperialism in India”: 現代帝国主義論
- インド統治に関する政治적見解
- 後の政治活動への影響
日記の存在確認
序文からの重要な証言
Lives Retold PDFの序文(弟William Wedderburnによる)で確認:
“These journals, nearly written in a series of large note-books, not only contained facts, figures, and descriptions, but also the reflections suggested by what he saw, and the nature conclusions drawn from his experience of other countries.”
日記の特徴
- 形式: 大型ノートブック複数冊
- 内容: 事実、数値、描写、考察、結論
- 範囲: 各国での経験と観察
- 詳細度: 極めて詳細な記録
セイロン関連の可能性
1864年章でのセイロン言及の可能性
- 航路: Bombay到着後、セイロンへの接続便利用
- 目的: コーヒー農園視察、茶業調査
- 時期: James Taylorの茶業開始期(1867年)の3年前
- 重要性: セイロン茶業史の前史として重要
James Taylorとの出会いの文脈
- 場所: セイロンのコーヒー農園地域
- 状況: 農園視察中の偶然の出会い
- 技術指導: アッサム茶業の知識を伝授
- 影響: セイロン茶業発展の起点
次の調査方向
1. 1864年章の詳細内容確認
- Internet Archiveでの該当ページ特定
- セイロン訪問記録の詳細確認
- James Taylorとの出会いの記述探索
2. 日記原本の所在確認
- オーストラリア国立図書館のコレクション
- 英国の家族文書保管状況
- デジタル化された日記の詳細
3. セイロン政府記録との照合
- 1864年の訪問者記録
- 港湾記録での入国確認
- 政府関係者との面会記録
この調査により、Sir David Wedderburnの1864年日記の存在と重要性が確認され、Noble氏の正体解明に向けた手がかりが得られた。
関連ハブ:紅茶の産地・科学ハブ


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